講師会員のみなさまへ(事務局からの談話)

 おかげさまで、JESCA日本イレイサースタンプ協会は2017年12月1日で7周年を迎えることができました。これもひとえにJESCAに参加してくださる講師会員のみなさまのおかげです。いつもありがとうございます。事務局一同、心より感謝しております。

 2017年を振り返り、今年はイベント「淀屋橋けしごむはんこヴィレッジ」「浅草橋けしごむはんこヴィレッジ」、コンテスト「国際イレイサースタンプ品評会」など長年計画していたことをみなさまのご協力のおかげで実現することができた一方、協会が認定する講師として相応しくない行いをしていた会員の退会(自主退会・除籍処分を含む)が例年になく多い年でした。※円満に卒業された方もいらっしゃいます

 退会者の中には、お仕事をいただいたクライアント企業様に対して非常識で無礼な態度を取り自分の過ちや責任を認めなかった人、上級課題の12星座のデザインを占いサイトから盗用したことが発覚した人、障がいを持つ方を侮辱するような発言をSNSで発信した人など、講師である以前に、人としての未熟さや品格のなさを感じる言動が多くありました。

協会の講師である前に「人としての成熟」を目指しましょう

 2017年に退会した中の数名については、以前からブログやSNSでの「言葉遣い」や「発言内容」について、JESCA内外から事務局への通報や苦情が特に多い人物でもありました。彼女らに対する苦情内容としては「自分勝手で他者への配慮に欠ける発言」であること「見苦しい発言」「言葉が汚い」「クリエイターとしての在り方」「母親としての在り方」等のご指摘が多くありました。

 Facebook、Instagram、Twitter、いま気軽に情報発信ができる世の中になりましたが、自分が考えている以上に、多くの人、自分の知らない人が見ています。インターネットは自分が知っている範囲だけの狭い世界ではありません。成熟した大人として、この情報発信は誰かを不快にしたり傷つけるようなことをしていないか、投稿する前によく考えてから発信するよう心掛けるようお願いいたします。また、過去に発信した内容についても、配慮や品位に欠けるものがないか、再度ご確認いただきますようお願いします。

資格は絶対評価、コンテストは相対評価

 JESCAは会員が増え続けていますが、トラブルを起こして退会した人たちはここ最近資格を取得した人たちではありません。初心を忘れ、いつの間にか「先生と呼ばれること」に傲慢になり、考え方や態度が自分本位で身勝手になっているのではないかと感じるトラブルもありました。

 JESCAの資格制度につきましては、今後も技術と知識が合格基準に達していれば資格を取得できるという方針ですので、今後も資格を取得される方は増えていくことと思います。ただ、講師資格を持つに相応しい人間性であるかは、合格基準の判断に含まれておりません。誰かに物事を指導できる立場に相応しい、良識を持った人格により近づけるよう、1人1人がご自身を振り返り、人としてより成長していくことを課題として、資格の取得後も技術と共に磨いていただけると幸いです。

 JESCAの資格制度は上級・中級・初級のさらに上のクラスの資格を設ける計画は現在のところございません。資格制度はご自身の知識や技術が商業活動として通用するレベルであるかどうかの基準をはかるためのものですので、努力すればいつか取得できる「絶対評価」のものとなっています。

 もしもさらに上を目指したいときは、ぜひ様々なコンテストにも挑戦してください。消しゴムはんこ界だけではなく、ハンドメイド界、アート界では様々なコンテストが開かれています。JESCAでも「国際イレイサースタンプ品評会」を開催していますが、コンテストはほかの人よりも優れた作品、支持される作品を作り、作品が認められなければ入賞することはできません。コンテストは「相対評価」のものですので、より厳しい世界ですが、それだけに入賞には大きな価値があり、自信にもつながります。

 資格を取る努力を「自動車の運転免許を取る努力」に置き換えてみると、コンテストで入賞する努力は「カーレースで上位入賞を勝ち取る努力」といえるかもしれません。高みを目指す手段のひとつがコンテストです。もっと高みを目指したいときや、もしも何かに行き詰まりを感じたときは、そのときこそコンテストに挑戦してみてください。

講師同志の交流は切磋琢磨できる「良きライバル」として
 協会の目的のひとつは「会員同志が交流を深めること」ですが、本来、ひとりひとりがプロまたはセミプロの講師・作家であり、お互いライバルであることを忘れてしまいがちです。講師同志の交流は、お互い切磋琢磨できる「良きライバル」として敬意をもって接し、程よい距離を保つようお願いいたします。

 毎年開催されているスタンプ専門の大きなイベント「スタンプカーニバル」に、JESCA会員の先生も多く出展していますが、近年は「講師同志で馴れ合っている」「お客さんを無視して知人同志で話に夢中になっている」「挨拶がなかった」という苦情やご批判を、お客様や他の出展者の方からJESCAの事務局にいただくことがあります。お客様や他の出展者様への気配りはプロとして大切なことです。イベントに出展するときはプロ意識を持ち、お手本になれるような振る舞いを心がけましょう。

 また、講師同志がお互いの活動に過度に干渉することや意識しすぎることは何の利益にもなりません。「わたしはわたし、人は人」と自分自身は何をしたいのか、何をするべきなのか、どのような価格設定をするのか、どのようなスタイルで指導すればいいのか、他人に左右されることなく「自分らしくある」ことを大切にしてください。

 そして「縄張り」のようなものを意識する必要はありません。消しゴムはんこは1人1人の個性を活かせるものです。作風が違えば、集まる受講生も変わります。レッスンをしたい街や場所で、遠慮なくレッスンを開くことが、消しゴムはんこの世界をより多彩にし、魅力的にしていくと考えています。

人と違う「何か」を見つけて「カタチ」にしていきましょう

 2017年を振り返り、今年は消しゴムはんこ関連の出版物も例年より多く、またテレビ番組でも大きく取り上げられたことで注目度も高まっています。どんどん新しい世代のクリエイターが参入しています。また、国際イレイサースタンプ品評会の出品作品の傾向を見ると、新しいジャンル・スタイルの作家さんがこれから台頭してくる予感を感じます。

 変わりゆく時代の中で、消しゴムはんこの講師として、作家として、自分がどのような立ち位置を目指すべきか、人と違う「何か」を見つけて、どうカタチにしていくかは、活動を続けていく上での大きな課題となります。2018年、公認講師として活動される先生も、登録会員として活動される先生も、そしてJESCAを卒業される先生も、初心や向上心を忘れず、前進し、成長をして、ルールやマナーを守りながら消しゴムはんこで誰かを笑顔にさせる活動を楽しく続けていきましょう。

2017年12月
JESCA日本イレイサースタンプ協会事務局

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